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ギャッベ・ペルシャ・手織り絨毯に込められた~想い・願い・伝統~
時を紡ぐ世界遺産
~はじまりは、イランの古都「シラーズ」~
イランと言えば、繊細な紋様が織り込まれた「ペルシャ絨毯」が有名ですが、
そのルーツとなったのは、古都シラーズを拠点とする遊牧民カシュガイ族が、
飼っている羊の毛を草木の色素で染め、ひと結び ひと結び手で織り上げた手織り
絨毯「ギャッベ」です。
防寒はもちろん、天幕として日差しを遮ったり、
遊牧民には欠かせない生活必需品です。
数千年もの間、イランの遊牧民・カシュガイ族に受け継がれてきた絨毯作りの
技は、ユネスコ無形文化遺産に選ばれています。
この「ギャッベ」の紋様には、織子である女性たちが伝統として受け継がれる
様々な幸せを願う柄や魔除けの柄を紋様として織り込みます。
そして、悠久の時を経て、「ギャッベ」は
色鮮やかな現在の都市型絨毯「ペルシャ絨毯」へと紡ぎ受け継がれていきます。
※「ギャッベ」はペルシャ語で「粗い・毛足の長い」という意味です。
式の前にお嫁さんが自ら織る「嫁入り道具」としての絨毯には、
これからの人生にかける願いと想いが鮮やかに織り込まれています。
青は生命の水、赤は太陽・喜び、緑は青々と茂る木々、茶は肥沃な大地など
イラン南部の乾燥した山々が連なる「ファールス州」
標高2000メートルを超える岩山で、
羊たちとともに昔ながらの移動生活を送るカシュガイ族と羊たち。
遊牧生活の傍ら、身の回りの草木から染料を集めたり、
バザールで手に入れたりしたオーガニック染料でウールを染め上げます。
下の画像は代表的な草木染の材料です。
草木染めは、天然染料を使用しているので、環境にやさしく人体にもやさしいので
ちいさなお子様やアレルギー体質の方にも安心な染色技術として注目されています。
「ギャッベ」は、イランの自然から出来ている手織り絨毯です。
santano72.onatim
2018年8月30日